アジサイとスイレンの咲く三渓園(2021年6月27日)

三渓園について

三渓園は、明治時代末から大正時代にかけて製糸・生糸貿易で財をなした横浜の実業家・原三渓(本名 富太郎)が、東京湾に面した「三之谷」と呼ばれる谷あいの地に造り上げた、広さ175,000㎡の日本庭園です。入園料は大人700円(65歳以上の市内在住者200円)です。年間パスポートがあり大人2500円(65歳以上の市内在住者700円)です。四季折々に訪れるのも良いかな❓と思い年間パスポートを購入しました。【引用:三渓園リーフレット】

園内は正門から三渓記念館の間に広がる「外苑」と三渓記念館から奥の「内苑」に分けられます。「外苑」は明治39年(1906年)に一般に向けて公開されたエリアで京都・燈明寺から移された室町時代の建築・三重塔がランドマークとして配されています。「内苑」は原家が私庭として使用していたエリアで雁行形の臨春閣を中心とした古建築で構成されています。【引用:三渓園リーフレット】

三渓園リーフレットより(使用許可を得ています)

六月のアジサイとスイレン

正門を入って直ぐ左手の所に咲いていたホンアジサイ(本紫陽花)です。手毬状のこの花は単にアジサイとも言われてれています。原種のガクアジサイから品種改良した園芸品種との事です。園内のアジサイはほぼ終盤ですが所々にまだ瑞々しい花が咲いていました。

少し歩くと大池の向こうの小山に三重塔が見えます。辛うじて残っていたハナショウブを入れてこれぞ三渓園‼と意気込んで撮りました。

「蓮池」にハスはまだ咲いていませんでしたが「睡蓮池」にはスイレンが池一面に咲いていました。どれを見ても花の傷みが無く「きれい」の一言です。しばしの撮影タイムになりました。

シングル

撮影していて気が付きましたが花は尾瀬でみたヒツジグサと同じです。スマホで調べて見るとヒツジグサはスイレン科スイレン属に属するとの事です。睡蓮(スイレン)と言ってもおかしくないことがわかりました。尾瀬で見たのはもっと小ぶりでした。

ペア

リーフレットによればスイレンの花期は5月~8月と長いのでまだまだ楽しめます。

三姉妹
四人兄弟

内苑の「臨春閣」に向かいましたが保存修復工事が行われており三渓記念館に向かいます。

三渓記念館内は原三渓の業績やゆかりの資料・美術品などが展示されています。ロビーにある茶席「茶席望塔亭」から望む中庭の池です。いい雰囲気で抹茶を楽しめるとの事ですが現在は新型コロナウイルス感染拡大防止のため休止中です。

内苑の一番奥にある茶室「金毛窟(きんもうくつ)」への登りです。登るにつれて樹木の間から徐々に茶室が見えてくる雰囲気の良いアプローチです。

下りの道に数株のガクアジサイ(額紫陽花)が咲いていました。中心の花を飾る額縁の様に周りに花を咲かせるのでこの名がついたとの事です。これが元々日本に自生していたアジサイだったとは初めて知りました。

旧天瑞寺寿塔覆堂(京都・大徳寺から移築)を背景に青紫色のアジサイです。

「海岸門」の建築は江戸時代宝永5年(1708年)ごろで、京都東山西方寺にあったのを大正時代に移築したものです。大きくはありませんが均整の取れた簡潔な門が私庭の出入口として建てられてました。こうしてみると豪華絢爛たる建物は一つも無く原三渓の質実な人柄を知ることが出来ます。

三重塔へ

坂を下りた所に標識がありました。今更ながらですが「三重塔」は「三重の塔」と「の」を入れて書かないのですね。今までの間違いに気がつきました(^-^;

三重塔への登り坂の途中でやっと赤色のアジサイを見つけました。アジサイの花の色は土壌によって色が変わるとの事です。アルカリ性土壌では赤色になり、酸性土壌では青紫色になるそうです。

小山の頂に移築して建てられた三重塔です。園内には京都や鎌倉などから集められた17棟の歴史的建物がありますが矢張りこれが一番でしょう。旧燈明寺三重塔:建築年は室町時代(1457年)。木津川市の燈明寺(廃寺)にあった建物を大正3年(1914年)に移築。重要文化財。【引用:三渓園リーフレット】

三重塔(さんじゅうのとう)は、仏教の祖である釈迦の舎利(遺骨)をおさめる仏塔の形式の一種。同種のものに五重塔などがある。日本では、各地の仏教寺院や神社などに木造の三重塔や五重塔がある。【引用:ウイキペディア】

小山を下りた所に小さな滝があったのでスローシャッターに挑戦しました。水の流れをふんわりと写そうと思い1/10秒でシャッターを切りました。三脚を使わず(使えない)手振れしないで写すのはこれが限界かな?

合掌造りの古民家は白川郷にあっった民家を移築したとの事です。軒先に七夕飾りが吊るされていました。コロナに追われワクチン接種を終えたらもう7月ですね。

庭先には桔梗の花が咲いています。梅雨空を忘れさせる清々しい景色でした。

写真を撮ったり、リーフレットを読んだりとゆっくり歩いてここまで約2時間です。洒落た名前の待春軒で休憩とします。

甘いものが欲しくてお汁粉を注文しました。疲労回復には小豆が一番‼ちょっと季節外れかな❓北海道小豆をじっくり煮上げた美味しいお汁粉でした。一緒に出された昆布茶も良い味でした。

梅雨の合間の日曜日、青空はありませんでしたが雨に降られなかったので良しとしましょう。最後にゆったりと池を泳ぐ三羽のカルガモと三重塔を写して今日の散策を終えます。

三渓園は2度目の来園です。梅の咲く季節も良かったですが緑あふれるこの季節も素晴らしいですね。園内の手入れも行き届いており案内所のスタッフ、お店の方々の気持ち良い応接に楽しい時間を過ごすことが出来ました。ありがとうございます。