紅葉と岩峰の涸沢を目指して...(2020年10月7、8日)

【10月7日(水)】JR松本駅・電車・バス→上高地バスターミナル8:30→河童橋→明神→徳沢→横尾12:00→本谷橋13:20→16:00涸沢テント場(泊り)
【10月8日(木)】涸沢テント場7:40→本谷橋9:30→横尾10:40→徳沢→明神→河童橋→14:00上高地バスターミナル・電車・バス→JR松本駅

松本から涸沢へ

6時31分の始発電車で新島々に向かいます。2、3年前より松本から上高地へ行く直行バスは夏山シーズン早朝の1便だけになりました。今の時期は新島々でバスに乗り換える事になります。平日のローカル線は学校に通う小学生が乗ってきて和やかな雰囲気です。

上高地バスターミナルから5分も歩けば上高地のシンボル河童橋です。橋の手前の案内板によれば『文豪芥川龍之介が昭和2年に上高地と河童橋を舞台とした小説「河童」を発表し河童橋の名が広く知られるようになったとの事です』芥川龍之介は上高地に来たことがあるのかな?そんなことより晴れて良かった‼右側に見えるピークは前穂高岳です。

河童橋の上流側から梓川の上に広がる穂高連峰の景色も素晴らしいですね。中央のピークが奥穂高岳です。すぐ近くの五千尺ホテルの売店で前泊したホテルで貰った地域クーポン券を使い帰りのお土産を買いました。使用期間が宿泊日とその翌日と短いのが難点かな(>_<)

何度も歩いていますが、今日は陽射しも柔らかく風そよぐ非常に気持ちの良い朝です。

明神を過ぎた橋の所で展望が開けます。ここからだと明神岳の1峰から5峰までの全てが見える素晴らしい所です。

中間地点の横尾で小休憩です。これからの本格的な登山道の歩きに備えます。多くの人が寛いでいました。

横尾の吊橋を渡り少し歩くとロッククライミングの名所、屛風岩が見えます。標高差1000mの絶壁です‼あそこを登る人がいるとは信じがたいですね。私は遠くから見るだけで充分です。残念ながら朝から広がっていた青空もここで見納めになりました。

屛風岩の下部に広がる紅葉です。上高地から歩いて来て初めて目にする素晴らしい紅葉です。

本谷橋の周囲も少しの色付がありました。この辺りでは登る人と下山する人が半々でした。

本谷橋から暫くは急登ですが色付くダケカンバの中の歩きは気分爽快です。

横尾本谷の紅葉と左手に北穂高岳。この景色を見てしばらく休憩です。涸沢から下りてきた方が「紅葉したナナカマドはテント場から直接下る登山道とヒュッテからパノラマコースを20分ほど登った所が良いですよ」と教えて戴きました。ありがとうございます。

さらに登ると木々の色付きが黄色だけでなく赤色が混じってきます。この道を歩いて涸沢に向かうワクワク感が堪りません、

大きなガレ場の所で目指す涸沢が見えてきました。先ほどの横尾本谷に比べ紅葉が進んでいます。稜線は雲に覆われ始めましたが涸沢カールはしっかりと見えています。

涸沢近くのガレ場の紅葉は色とりどりで素晴らしいです。私の好きな場所ですがここからヒュッテ迄なお1時間かかりました。

ガスが晴れて一瞬だけ穂高連峰が見えました。景色は素晴らしいですが私はバテバテでした。Canonのカメラを持って撮影しながら登って来たソロの女性にあっさりと抜かれました。

紅葉と岩峰の涸沢

バスターミナルから7時間半でやっと涸沢ヒュッテのテラスに到着です。テラスから望む北穂高岳中腹の紅葉が素晴らしい‼まだ明るい内に登れてこの景色を眺めることが出来て最高の気分です。しかし最後の登りが辛かったですね。

涸沢小屋の周りの紅葉も素晴らしいですね‼良く見ると涸沢小屋のテラスにも多くの人が出ています。向こうから見る涸沢の紅葉も凄いんでしょうね。

さらにテント場の下側に広がる紅葉のグラデーションも素晴らしい‼

テントを設営して再びテラスに戻ります。今日のテントは夜から雨との予報もあり100張ぐらいです。昨日は晴れで400張ぐらいだったとの事です。さて私のテントはどれでしょう❓

相変わらず穂高の稜線は雲に覆われたままで、雨もぱらつき暗くなり始めました。雲が少しでも上がるのを待って何とか撮れた一枚です。この一枚が撮れなければ寝るに寝れない所でした。中央の大きな岩は獅子岩だと思います。雲がなければその奥に鋭鋒・涸沢槍が見えるのですが・・・

涸沢から上高地食堂へ

昨日はテントを打つ雨と時折吹く風の音を聴きながらの眠りでした。右手奥に見える獅子岩の左に幽かに涸沢槍が見えます。天気予報によれば今日は一日中雨です。晴れていればパノラマコースで屏風のコルを越えて下山する手も有りますが今日はおとなしく同じ道を戻ります。

ナナカマドの紅葉を見に昨日教わったテント場から直接下る登山道に向かいます。直ぐにナナカマドを見つけました。降りしきる雨があでやかな色をさらに引き立たせています。やはり涸沢にはナナカマドの赤が似合います‼左に涸沢ヒュッテのテラス、背景は前穂高岳北尾根と言う素晴らしいロケーションですが、ガスはなかなか動きません。

少し粘ってガスが動いた時にどうにか岩峰が見えました。素晴らしい紅葉と岩峰の重なりです。この景色に出会えたことに感謝‼感謝‼です。

この後は本谷橋まで一気に下りました。気温も低く雨も強くなり始めたので休憩もそこそこに上高地食堂を目指します。防水・防滴でない私のカメラはここでフリーズして撮れなくなりました。家で一晩乾燥させてやっと復活しました。

久々に飛ばして歩いたので予定したバスの40分前にバスターミナルに着きました。無事下山できた自分へのご褒美に一度は食べたかったトンカツ定食を奮発しました。カツも柔らかくボリュームもあり美味しかったですね。食事で体も温まったので新島々行きのバスに乗りこみました。

♪ さすが涸沢、やはり涸沢 ♪
「紅葉と岩峰の涸沢」を目指して久々の涸沢です。もちろんこの時期の休日は小屋もテント場も満杯です。少しでも寛ぎたいと平日にテントを担いで行くことにしました。天気はあなた任せですが初日はきれいに晴れて絶好の登山日和でした。おかげで徐々に色付く登山道と涸沢の素晴らしい紅葉を満喫できました。さすが涸沢です‼翌日は雨でしたが北尾根の前に広がるナナカマドの紅葉を見れて感激しました。やはり涸沢です‼素晴らしい自然に触れることのできた2日間でした。

♪ おまけ ♪  
「ヤマレコ」に投稿した2016年9月29日~10月1日の涸沢の紅葉と穂高岳です